張り裂けた夢の欠片を
空想家が掻き集めた
一欠片残さず
一欠片残さず、と
空想家が必死で掻き集めた
朝陽がやがて天高く昇っても
夕闇が夜空を招き迎えても
空想家は
砕けた夢を必死で集めた
行き交う人々が
言葉を掛けたとしても
空想家は笑みを浮かべるだけで
暖かい風が花の香りを運んでも
地に打ち付ける粒がどんなに冷たくても
一欠片の夢も見逃さない様に
空想家は拾い集めた
行き交う人々が
「それは何ですか?」
「そんなに大事な物なんですか?」
言葉を掛けたとしても
空想家は笑みを浮かべるだけで
来る日も来る日も
空想家は砕け散った夢を集めた
いつかまたその欠片が
ヒトツに成っても
夢は大き過ぎて・・・。
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