盃を傾け
十八番を語る
御前様は
したり顔
行灯の灯り揺れ
映る影絵障子紙
微醺帯びる香色
御前様只一人の為だけ
漆の銚子と
媚態肉叢
嗚呼、御前様に
恰も酔い痴れた風に致しまする
手前の胸中
見抜きませぬ様
嗚呼、御前様
其の向う側に
想い跡隠し
嗚呼、御前様
堪らない
ちょいと其処を御退きよ
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