僕は雨粒に拍かれ跪く
世界の片隅
罪の意識
朦朧
街並みは闇
追手は幻夢
僕は、もう
静かな足音
唯一の人
僕の側で居る
闇色の衣を纏う貴方は
優しく微笑んで
雨に濡れ泥に塗れた
憐れな僕に
償う術を教えてくれた
重たい雲は次第に薄れてゆき
溢れ出した天光が水溜りを煌かせ
僕の視覚を犯すのだが
その刺激が堪らなかった
闇色の衣を纏う貴方は
優しく微笑んで
雨に濡れ泥に塗れた
憐れな僕を
温かく受け入れてくれた
今までに出会った人々は
僕の事を見えない降りをしていた
愛とか友情とか
本当は欲しかったけど
誰もくれなかった
空には太陽が帰ってきた
街並みを包む日差し
その許に
貴方と僕が居る
嬉しくて
嬉しくて
汚れた僕は
償いと
祈りを
『そのままでは冷えてしまいます。さぁ、行きましょう。』
闇色の衣を纏う貴方は
優しく微笑んで
憐れで汚れた僕を
包み込む
オブラートの拘束衣で
僕の肩を抱く貴方の手は
とても温かかった
どうしたって、救われない。
←
index