此の身に近寄る貴方を譬えるなら
愛を知った振りをする偽善の獣

其の胸の中に有るのはどんな秘め事かしら

腹の下で渦巻き上げる欲望は
薄皮に被われ張り裂けそう
私を威圧しているのかしら

貴方の二枚に重なる舌が私の神経を嘗め回す

温もる情を指に絡ませて
腰を抱き寄せないで

そんなに盛るのなら
此の手で解き放してあげる

白く濁る貴方の闇を
唇を汚して
吸い上げて
塗れてあげる

どんなに甘味を韲えても
纏わる苦味


掻き紊れる長針と短針



恐れる口内汪溢


嗚呼




簡易な作業で高く飛び上がる
果ての劣等感

突き破る鋭い呼吸は
私の視界を引き千切る

貴方は何て愚かな人なのでしょう

一発の空夢で
私を酔わせた御心算かしら


残り香を髪にうつされて
気分が悪いの私

奉仕料はさっさと頂くわ


細やかな現金と

貴方の
毛皮







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